犬島アートプロジェクト -精錬所-
犬島 第3弾です。
近代化産業遺産である銅精錬所の遺構を建築家・三分一博志氏が美術館として改修した場所です。
以前の建築探訪での「六甲枝垂れ」を手がけられた建築家の別ケンチクであります。
1900年初頭に、倉敷から採掘される銅鉱石を船で運び犬島で精錬していたそうです。
煙害や音の問題で、陸地から離れた島で行なっていたのですが、世界的な不況により銅の価格が大暴落した為に、実質10年程度の稼働で精錬所としての役割は終わりを迎えています。
精錬所内には、合計6本の煙突が立ち当時の製造スケールの大きさが感じられます。
煙突のカタチも旧式の六角形と新型の円形の2種類があり、風の影響を受けやすい六角形の方が崩れているモノが多かったです。
これらの煙突は特に補強をすることものなく当時のままだそうで、いまにも朽ち果ててしまいそうな様に妙なリアル感が感じられます。
こちらは港の役割を果たしていた所です。
銅を含んだ鉱石から銅を抽出した後の物を固めたカラミ煉瓦を積み上げて作られています。
カラミ煉瓦の成分は、ガラスと鉄。
ガラスが含まれているので、様々な色に光り与えた感じが何とも言えない雰囲気を醸し出しています。
展示室としては、暗い坑道のようなところに空の光を鏡の反射に幾重にも重ねて取り込む空間がなんとも言えない不思議な体感ができ、素晴らしかったです。
撮影は出来ず、つたない文章では伝わらず・・・是非、実際に足を運んで体感してもらいたい!そういう空間です。
展示室全体としては、六甲枝垂れと同じように、夏は冷えた地熱、冬は太陽光の熱を建物全体に循環させるようにし、自然エネルギーを利用しています。
また、カラミ煉瓦を利用した素材感が押し寄せるような空間に圧倒されます。
何せ、このカラミ煉瓦の素材感は凄い。正直、打ちのめされるくらいです。
これ自体がアート。
・・・どこかで売ってないかなぁ、欲しいなぁ。